強くなるために必要なのは「考えること」

レースで勝つために必要なものは、強い肉体だけではない。最強のコーチである。

コーチングとは何か

NHK BS1 で放送されている「奇跡のレッスン ~世界の最強コーチと子どもたち~」という番組がある。この番組は、サッカーや合唱などに取り組んでいる子供達のグループ(小学校のクラブ活動など)に、その分野における世界トップレベルの指導者(最強コーチ)を招き、1週間ほどの指導で子供達がどう変化するかを追った密着ドキュメンタリーだ。

招かれた最強コーチは、千葉ロッテマリーンズを31年ぶりの日本一に導いたボビー・バレンタイン(野球編)、タイガー・ウッズを4歳の頃から指導していたルディ・ デュラン(ゴルフ編)、リオ五輪銀メダリスト・水谷隼選手の育ての親であるマリオ・アミズィッチ(卓球編)など、そうそうたるメンツである。

さて、彼らはたった1週間という短い時間で、どういうことを子供達に教えたのだろうか。

技術? ――No。トレーニング方法? ――No。

私が視聴していて気付いたこと、それはほぼ全ての指導者が「どうしてだと思う?」という質問を子供に対してぶつけていたことだ。すなわち、子供に「考えること」を教えていたのだ。

最強コーチは、子供がミスをしても怒らない。同じようなミスを繰り返す子供に対し、どうしてそのようなミスをしてしまうのか考えることを最強コーチはさりげなく促す。子供が考えを述べると、「じゃぁこうしたらどう?」と提案する。このようなやりとりを繰り返すことによって、子供達に練習内容の意味や意義を理解させていく。「考えること」が浸透すると、最強コーチが提案するどんな突飛なトレーニングでもその意義をちゃんと理解できるから、子供達はついていける。そして1週間後、あり得ないくらい成長した姿を子供達は披露するのである。

コーチングとは、「考えさせることによって相手に意味を理解させ、正しい方向へと導くこと」だと私は考える。

最強の「セルフコーチ」であれ

さて、私のようなアマチュアの世界で戦っているサイクリストにコーチなどいない。強くなるため、ひいてはレースで勝つためには、「最強のセルフコーチになれるか」が非常に重要である。

例1: ダルビッシュ有

テキサス・レンジャーズやロサンゼルス・ドジャースで活躍し、また今後も活躍するであろうダルビッシュ有投手。「僕が監督なら、週2回は休む ダルビッシュの高校野球論」という記事で、こんなことを語っている。

 東北高では、いわゆる強豪校の練習をみんながしていたけど、僕はしませんでした。納得がいかない練習は絶対にしたくないと強く思っていたので、ウサギ跳びとかそういう類いの練習は一切しませんでした。

小さい頃から日本人じゃないような考え方を持っていたので、みんなの常識が僕の中では常識ではなかった。誰の色にも染まらず、考えて行動する力が身についたのが、高校時代だと思っています。

ダルビッシュがプロ野球と大リーグで成功を収めることが出来た理由の1つは、「考えること」が身に付いていたからだと私は思う。

例2: 西薗良太

東京大学出身で、2017年に惜しまれつつ引退した西薗良太さん。cyclowiredの記事の中に、さりげなくこんなことが書いてある。

・スポーツ選手としての向上は25歳くらいで止まるかと思ったが、自分で考えて問題を解決していけばまだ伸ばせる

全日本選手権のタイムトライアルを3度制し、富士あざみラインの日本人コースレコード保持者は、とことん考えを突き詰めて結果を出す選手だった。西薗さんには是非コーチの道に進んで欲しい。

例3: 兼松大和

我らが(?)某いいぞ~おじさんも、こんなことをブログに書いている。

何のレースで、どんな成績を手に入れたいのか、現状の自分の能力はどれぐらいなのか、把握した方が良いのです。

現状を分析し、必要なものや足りないものを見極め、トレーニングを実行し、優勝する。文章で書くとたったこれだけだが、実際に実現させることは非常に難しい。それをやってのけてしまうのがこのおじさんだ。

私はこの記事を読んで、次のようなツイートをした。

このツイートを見て、「HANAKENのトレーニング内容は他の人と違うじゃないか! 嘘つき!」と思った方もいるかもしれない。種明かしすると、この共通部分というのは「考えること」だ。

セルフコーチングで大切なこと

セルフコーチングで最もやってはいけないこと、それは「他人の方法を真似して鵜呑みにすること」だ。

ゴローさんの記事に、

強い奴の真似をしてみるのが一番手っ取り早い。それで試してみてから自分に当てはまるか?当てはまらないのか?を考えるのをお勧めする。

とある。他人の真似をするのは大いに結構だ。私も経験上、ピーキングで最も成功率が高いのは距離を乗ることだと考えている。しかし、何故距離を乗り込むのかを考えて行うことと何も考えずに行うことには、大きな差が出てくると思う。その理由については、是非考えてみて欲しい。

まとめ

強くなるために必要なことは考える力であることを、例を通して説明した。もちろん他にも成功例は山ほどあるし、それ以上に失敗例も多い。私自身は読んだことないけど、村山利男さんの本なんかは参考になるかもしれない。私のブログは失敗例だらけだが、興味があればトレーニング日誌なども覗いてみて欲しい。

余談になるが、日本の自転車選手が世界で通用しないのは、レース環境が海外に比べて貧弱というだけでなく良質なコーチが少ないことも原因の1つだと考える。選手を育成することは難しいが、コーチを育成するのはもっと難しい。しかも、日本の風土として未だに「スポ根」コーチが多いのも事実だ。今後、素晴らしいコーチがたくさん生まれて日本の競技レベルがさらに向上することを願ってやまない。

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