第5回まえばし赤城山ヒルクライム 一般男子B優勝 キングオブマウンテン賞獲得
第5回まえばし赤城山ヒルクライムに参加してきた。結果は、参加者全体のトップタイムをマークしての年代別優勝。さらに、兄貴が同じ年代別で2位に入りワンツーフィニッシュ。今季3勝目、通算4勝目。大台ヶ原に続いて2連勝を飾り、今シーズンラストのヒルクライムレースで有終の美を飾ることができた。
2人の明暗
今回は、兄貴と2人で参加してきた。しかし、レースまでの道のりは全く正反対であった。
自分の場合:絶好調
大台ケ原に勝った後、感じたことがあった。
俺、絶好調なんじゃね……?
その感触は、日に日に確信へと変わっていった。体が軽い。疲労回復が早い。エネルギーが湧き出てくる。レース5日前に行った高野山での練習では、ずっとアウターで踏み続けて44分台を記録。赤城山ヒルクライムに向けたピーキングがぴったりはまったのだ。
ピーキングしなければならないのには理由が2つあった。1つ目の理由は、赤城山のコースがどちらかというと苦手な緩斜面系コースということだ。私は10%を超えるような激坂系が得意だと自負しているが、緩斜面はそれほどでもない。赤城山のコースは距離20.8km、平均勾配6.4%、最大勾配でも9.4%と、激坂成分が少ないのだ。2つ目の理由は、タイムが1時間を切った人に与えられるキングオブマウンテン賞の特別ジャージ、通称「ころとんジャージ」がどうしても欲しかったのだ。しかし、過去4大会で年代別でこのジャージを獲得した者は誰もいない。つまり、自分で高速レースにする以外、獲得する道はないのだ。
ここまでしたのだから、目標は当然優勝、そしてころとんジャージの獲得だ。
兄貴の場合:まさかの落車
兄貴も、赤城山にピークを持ってくるべく調整を重ねていた。トレーニング記録を見ると、どんどん基礎能力が向上していることが分かる。お盆で大阪へ帰ってきたときに一緒に走りに行ったのだが、明らかに実力が自分に迫ってきていることをひしひしと感じた。
シルバーウィークにも帰省してきたので一緒に練習へ行った。しかし、そこに落とし穴が待っていた。レース6日前、下り坂で激しく落車したのである。
幸い骨折しなかったものの、腕、腰、背中に深い擦過傷を負い、首などにも痛みが出た。ここまで順調に調整できており、「赤城でワンツー決めよう!」とまで話していたのに、出走すら危ぶまれる事態に陥ってしまった。まさに、明暗がはっきり分かれてしまったのだ。
レース前日
午前中の用事を済ませ、13時ちょっと前に大阪を出発。今回は兄貴夫婦に代理受付を頼んでいたので、時間を気にしなくてよい気楽な旅だ。
ホテルで無事に合流して3人で夕食へ。兄貴が、豪勢に行きたいと言うので、鉄板焼きのお店へ。7000円ほどのステーキコースを堪能する。帰り際、そのお店のオーナーと少しお話をし、自転車談義で盛り上がるw
ホテルに戻り、レースの準備をする。今回のギアセッティングは、フロント52-39T、リア12-25Tとした。直前まで12-23Tと悩んだが、保険で25Tを付けておいた。
参加者名簿も簡単に確認する。私が出場する男子Bは、今年のハルヒルを制しているグランペールのI井 (K) さんがいるくらいで、他にやばそうな選手は見つからなかった。男子Aに影さんが出るのは知っていたので、他の人の名前を探してみる。富士国際で優勝したK野さんとかの名前を発見。展開次第では協調できるので、この辺の事前リサーチは大事だ。……って言いながら、重要な人物を見落としているのに、レースになって初めて気づいたのだが。
なんだかんだで時間がたってしまい、11時過ぎに就寝。
レース当日
目覚ましは3時にセットしたが、2時半に自然と目が覚めた。若干寝不足気味だが、2度寝したら寝坊すると思ったので、そのまま起きることにした。
体重を量ると52.8kg、大会当日としては過去最軽量を記録。兄貴も体を絞っており、過去最軽量級らしい。ちなみに体重差は8kgほどある。
今回の朝ご飯も、フルーツグラノラハーフだ。かなりの量を食べたのだが、家に帰ってから計ってみるとなんと430gも食べていたことが判明。約1580kcal分に相当する。野菜ジュース、リポD2本投入。やっぱり朝ご飯に40分もかかってしまった。3時に起きてたら多分スケジュールが押せ押せになっていただろう。
さぁレースだ! と意気込んでホテルの外に出ると、まさかの雨。まじか。全く予想していなかったので面食らった。
駐車場には5時頃に到着。義姉さんが応援バスの整理券をもらいにすぐに会場へ向かうとのことだったので、2人の下山用荷物を持っていってもらう。応援者がいると、こういうサポートがとても助かる。
5時15分にアップ開始。いつものローラー台付属ハッピーパワーメーターで280W5分、3分流して330W2分、2分流して350W2分を行う。5分走をやっているときはなかなか目標出力まで上がらず、調子が悪いのか? と思ったのだが、次の2分走で310W目標で始めたらあっさり330Wを突破したので、脚の調子がいまいちよく分からないという状況に陥る。
アップを終えたのが6時前だったが、下山用の荷物を心配する必要がなかったのでゆっくり移動。途中で2人ともアームカバーを取りに戻るという余裕っぷり。会場に到着したら、ずらっと自転車の列ができあがっていた。年代別はネットタイム計測で、優勝を狙うなら後ろから出るのがセオリーだと考え、今回は最後方からスタートする気満々だったので問題なし。真後ろの列にキクミミさんが来るという事案が発生するも、携帯を持っていないので写真を撮れずw そうこうしているうちに、一般組最初のグループのスタート時間を迎えた。
レース本番
レーススタート。予定通り最後尾よりちょっと前からスタート。
緩斜面ではパワーのある兄貴の方が速度を出しやすいので、序盤は兄貴が前を引きながら先頭を追う。赤城のコースは道幅が広いので、詰まることは全くなかった。しばらくして先頭交代する。兄貴がいいペースを刻んでくれたおかげで、緩斜面でのペースをつかむことができた。
畜産試験場の手前で早くも先頭集団に追いつく。後ろを確認したら、数名後ろにいるのか本格的に千切れたのかは分からなかったが、既に兄貴の姿はなかった。集団は50人以上は残っている様子。パッと見たところ、影さんの姿がない。ほかの有力どころの姿も、集団に埋もれてか認識できなかった。余談だが、影さんは諸事情によりDNSだと後で判明した。
集団のペースは上がっていないようだった。年代別は緩斜面で速度が落ちやすいことは、経験上分かっている。このままだと1時間切りのころとんジャージ獲得が厳しくなるので、高速レースにするべく迷わず先頭に出た。別にアタックでは無かったのだが、追いついたそのままのペースで先頭に出たので、もしかしたらアタックと思われたかもしれない。
しばらくして後ろを振り返ると、なんと今年のハルヒルで負けた山形大学のK瀨さんが。完全に名簿から見落としていた。ハルヒルの時は同じカテゴリーだったが、自分の年齢が上がり今や違うクラス。協調できる願ってもない展開だ。「ハルヒル以来ですね、カテゴリーが違うので回して後ろを引き離しましょう」と言って、2人でローテ開始。がんがん飛ばす。先頭集団は瞬く間に崩壊した模様で、数名が追いすがってくるが苦しそう。
ところが、2回ほど回ったところで後ろを振り返ってみると、K瀬さんも千切れて独走状態になっていた。ここでまだ約7km地点。旧料金所すら通過していない。約13kmにわたる独走劇の始まりとなった。
後は、先導モトのお尻を追いかけるだけだ。ひたすらペダルを回す。残り2km地点でころとんジャージ獲得を確信したが、それでも脚を緩めることはなかった。流石にこのタイムで負けるわけが無いと思ったので、大台ヶ原から2連勝の意味を込めたピースサインでフィニッシュ! 手元のタイムは56分58秒だった。
レースを終えて
ほどなくして兄貴がゴールしてきた。タイムを聞くと1時間40秒台だという。入賞は堅いな、などとこのときは言っていたが、どう考えても表彰台タイムだと後で気が付いた。
しばらくして、速報タイムを確認できることを知ったので恐る恐る確かめる。すると……私が優勝! 兄貴が2位! なんとワンツーを達成していることが判明!! 人目もはばからず、2人で抱き合って喜びを爆発させた。
兄弟でそろって表彰台に立てる、これほどうれしいことは無い。兄貴が落車する前、2人でワンツー決められたらいいねと話してはいたが、まさか本当に実現するとは思わなかった。満身創痍の中2位という兄貴の結果は、弟として誇らしい。
表彰対象者の集合時間になって、入賞者がぞろぞろ集まってきた。MCの人に「兄弟ですか?」と聞かれたので「はい」と答えると、周りの視線が一気に集まったw さらに、自分のタイムがチャンピオンクラスを差し置いて参加者全体の最速タイムであることを知る。実は、山頂にいたころはチャンピオンクラスの速報に誤りがあって、存在しない幻の人が54分台の記録で掲示されていたのだ(勝手な憶測だが、下山用荷物に間違ってタグを入れてしまったのかな?)。なので、全体では2位だったか~と思ってたのだ。これには正直驚いた。
また、最大の目標であったころとんジャージを無事ゲット! 大台ケ原に続いてジャージ2枚を獲得した。
今回の戦利品は、ついに机に乗りきらないサイズになってしまった。というのも、優勝の副賞がローラー台だったのだw
これで今年のヒルクライムレースは終了となった。次はいよいよ今年最後のレースとなる。自分にとって1年に1回のロードレース、ツール・ド・おきなわ50kmだ。去年はアンダー29で7位と、惜しいところで入賞を逃してしまった。今年はカテゴリーが変わり、サーティにゆるん、れざさんそして兄貴と一緒に出場する。兄貴の優勝をアシストすべく、全力で挑む。
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