[兄貴による寄稿] 第13回Mt.富士ヒルクライム 年代別6位 男子総合22位

今回は、私の兄貴による第13回 Mt.富士ヒルクライムのレースレポートをお送りする。兄貴は30~34歳の年代別で6位入賞を果たし、ゴールドリングを獲得した。なお、写真は(弟である)私が挿入している。以下、兄貴による寄稿である。

レースレポート by 兄貴

Mt.富士ヒルクライムに今年も参戦してきた。今回はパスしようかなと言いながら、第11回大会の初参加から連続3回目の参加となった。

初参加時はコースプロファイルもろくに調べず、「5%くらいのゆるい坂が延々24km続くコース」くらいの認識でスタート。シルバーは獲得できるかなと思って走ったものの、コースの長さと標高の高さ?のためか後半タレて1時間15分50秒で惜しくもブロンズ。そして昨年は、弟にどこまでツキイチで走れるかを試したが、中盤の弟のペースアップで前の選手が中切れし、追走しようとするも当時はブリッジする力がなく、そのままジリジリと離されてしまい1時間6分28秒でシルバー。

となれば、今年の目標はゴールド獲得と年代別入賞。展開次第で表彰台、優勝(弟は主催者選抜だし)。例年どおり試走はしていないが、ゴールドはいけるだろう、くらいの感覚で大会を迎えた。

今回の参加メンバーは、弟と初参加のゆるん、そして私の3人。最初は単独行動の予定だったので、宿を取らずに片道2時間の自宅から2往復を考えていたが、直前になってやはり前泊のほうがいいとの意見により、3人で近場に前泊となった。

レース前日

本当は自宅を10時過ぎに出る予定だったのだが、なんだかんだ遅くなってしまい11時過ぎに出発。お昼時だし、中央道の集中工事の渋滞も大したことないだろうと高をくくって、中央道ルートを選択。だが、やっぱりというか、しっかり事故渋滞にハマって15時前にようやく駐車場に到着した。

会場へは、混雑の中に自転車で突っ込みたくないのと、車内積みした自転車を下すのも面倒なので、シャトルバス移動を選択(フラグ)。会場入りして、まずは受付。2人の代理受付も済ますが、弟の選抜クラスゼッケンを受け取って、なぜか自分のテンションが上がる(笑)

来年は自分も選抜で走れるくらいになっているといいな。選抜の濃すぎるメンツの中で勝負に絡めるとは到底思えないけど。

サイクルエキスポ

受付も済ませて、まだ大抽選会まで時間があったので、ブースを見て回る。

うろうろしていると、sunvoltのブースでリラックマジャージを発見、「XSサイズは黄色のみラスト1着ですよ!」と言われ、これは妻が喜ぶなと、おみやげに即ゲット。

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似合ってるのぅ by HANAKEN

そういえば、「ウェイブニャン山猫王ジャージ」なんてモノもあったなとWAVE ONEのブースに行くが、販売開始早々に完売したそうで、「いつもこんな感じなんですよ。大きいイベントには大体出店しているので、ぜひ早く来て……」とかなんとか。

そこにCyclistの連載「つれづれイタリア~ノ」でおなじみ?のマルコさんと談笑している、現全日本TTチャンプ(当時)の中村龍太郎選手の姿が。やはり体つきが違うな……特におしり。大臀筋の発達ぶりが尋常じゃない。トラック向きの体つきかな、とか考えながら、結局声をかけそびれてしまった(中村選手は前日も試走していて1時間2分台だとか……いったいどんな体力してるんだか)。

毎年、前日の会場には多数のメーカーが出展していて、TREKも例外ではない。要望を直接伝えられるかもしれない貴重な機会なのでブースに足を運び、TREKジャパンのスタッフとしばし談笑。シューズのサイズラインナップをもうちょっと充実してくれとか要望してみたけど、伝わったんだろうか。

そうこうしているうちに、大抽選会の時間が近づいてきたので、ステージ前最後部の柵の前に座って待機することにした。

大抽選会

今回の大抽選会、個人的にほしいと思っているアイテムがいくつか提供されていて、ぜひ参加したいと思っていた。

抽選は、ゼッケンナンバーの下一桁から順に抽選箱からボールを引いて決定し、十の位で人数が絞られたらそこでじゃんけん、みたいな方式で進められた。RXLのソックスから始まり、スポンサーから提供された豪華賞品の当選者が次々と決められていくが、とにかく「9」がよく出る。

まあ、こういうのってまず当たらないよねと思っていたら、なんとGiantのホームトレーナーで番号がヒット。じゃんけんもまっ先に勝ち抜けして、まさかの賞品ゲット!ありがとうございます。

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うれしいけど、ホームトレーナー3台目……それにデカいし、重いし、何よりも目立つ。おかげで、すれ違う人に「おめでとう!」と言われたりして、うれしはずかし。おそらく、これは親父が使うことになるだろうな。(HANAKEN脚注:私のところに来た(笑))

ステージイベントを最後まで見届けてからシャトルバスの行列に並ぶが、自転車で来なくてよかったと心底思った。車に戻って積み込んだら、宿に移動して食事やら風呂やら準備やら。いろいろしているうちにいい時間になって11時ごろ就寝。

レース当日

3時起床。起床時体重は63.75kgと若干重め。でも気にしないで朝食をモリモリ食べ、合計2000kcalオーバーを平らげる。すぐに催して軽量化。出る前にリポDも投入。

車は宿において5時ごろ出発、アップがてら自走にて会場入りする。途中、勾配一定の直線で上げ気味で走るが、何か体が重い……後ろから引っ張られるような感覚で、大丈夫かなと若干不安になるが、荷物預けで背負っているリュックの重さだったと気付く(笑)

昨年の経験から、なるべく前に位置取りしたほうがよさそうだったので、バイクをすぐにスタート列に並べて待機。知り合いに挨拶したりしながら時間を待つ。スタート間際にジェルを投入した。

機材

ヒルクライムのレースでは基本的にリム重量を最優先して、もっとも軽いリム高35mmのセミディープリムであるBontrager Aeolus 3 D3 チューブラーを使っている。しかしMt.富士ヒルクライムは勾配5%前後の緩斜面が多く、ロードレースの要素が非常に強いため、思い切ってリム高50mmのAeolus 5 D3 チューブラーを装備(昨年の選抜上位選手でも50mmを選択している人が多かったし)。

さらに、ヘルメットもエアロを重視してBontragerのエアロヘルメット、Ballistaを投入。完全にロードレース仕様で挑むことにした。

また、ギア選択はフロントチェーンホイールは53-39Tで固定として(交換めんどくさいし)、カセットスプロケットを11-25T、11-28T、12-28Tのどれにするかで悩んだ。考えた末、①11Tはド平坦も下りもないので、まず使用しない。②28Tを装備していれば、7~8%を超える箇所以外はほぼアウターで走りきれるはず。ということで、12-28Tを選択した。

レース本番

真ん中より少し前くらいの位置からパレードスタート。計測開始地点までに若干前に上がる。

アクチュアルスタートしてすぐ、速そうな列車を前方に視認。料金所を過ぎてすぐくらいでドッキング、渋滞も昨年ほどひどくはないし、ちょっと追いつくのが早すぎたかなと思いながら十数名はいる集団を観察する。前を見ると100milesの選手が何名か固まって集団を牽いているが、ローテーションは回らず1人ががんばっている感じ。

あとは集団の中切れ、アタックに注意しながら、割と楽なペースで淡々と距離をこなす。ずっとこのペースなら楽できるななんて、よからぬことを考えていると、時折中切れが発生するのでブリッジするが、勾配もきつくないのでそれほど苦にもならない。ブリッジはセレクションの意味で、もう少しキツめにインターバルをかけるべきだったかな。「ブリッジありがとうございます」なんて声をかけられて、「個人的には後ろ切り離したかったけどねー」なんて答えたけど、どう受け取ったんだろうか(笑)

10km過ぎたあたり(?)で、2名ほどが抜け出すのが見えたので集団の先頭まで上がる。少し距離が空いているが、追いかけるには残り距離的にもちょっとツラい気がしたのと、割とすぐ落ちてきそうな雰囲気を感じたので、「回して追います?」と聞かれるもペース維持で静観。結局吸収はしたけれど、今考えるとここががんばりどころだったかもしれない。

そうこうするうちに、人数もあまり絞られないまま残り4kmを切ったので、どこかでセレクションをかけたいと思っていると、飛び出している選手がいるように見えたのでガツンと加速。逃げ切り&集団の崩壊を狙う。

ジャンプアップには成功するもこの動きは結局決まらず、すぐに集団に戻ってしまい残り3kmの平坦へ。ローテを回すが、ここでの立ち回りがよくなかった。ラスト1kmを切って、先頭交代で集団左側に埋もれてしまい、右を上がってくるスプリント列車に乗り遅れてしまった。

ああ、これで優勝はなくなったななんて考えながら、でもタイムを落とせば順位を落とすことになるので、踏み切れる距離まで我慢して、最後は軽めにスプリントしてゴール。手元の時計で1時間3分43秒だった。

レースを終えて

ゴールラインを切ってすぐ、集団でローテを回した人とお互いの健闘をたたえる。とりあえずゴールドは確定しているので喜びのハイタッチ。

荷物受取場所にくだっていくと、続々と選手が。その中に、今年のハルヒルで年代別優勝したMIVROの青木選手の姿も。残念ながらタイムでは30秒ほど負けているようだったが、「まだエキスパートで戦うには力不足なんですよね。お互い(実力が)近いところにいるのでこれからがんばりましょう!」と言葉を交わす。自転車でフラっと行ける距離に住んでいるようなので、機会があればぜひ揉んでやってください。

さらに、グランペールの田中さんの姿が。選抜の、あのメンツの中で6位だったらしいが、顔が満足していない。いわく、ゴール直前でスプリントのやり方がわからんわー。みんなスプリントうまいなー。と後ろから眺めていたとか。コメントがちょっとおもしろい。

弟と落ち合ったが、ハルヒルの故障からようやく回復して自転車に乗れるようになったばかりで、調子もいまいち、かつ体重激増で、やはりまったく走れなかったと肩を落としていた。わかってはいても残念なものは残念だな。

下山~帰宅

いつも下山荷物で持参するパンは、山頂で「富士めろんパン」を調達するつもりだったので、とりあえず買いに行く。サクっと調達して戻るも、すでに下山パトロールの弟は召集がかかったようで姿が見えないので、自分も下山列に並ぶため下り始めた。

1kmほど下って、ここでサングラスがないことに気付く。弟と落ち合って荷物を下ろしたときに外したっきりだったので、自転車に注意してUターン。また登る(笑) 邪魔にならないよう歩道をゆっくり走って戻り、サングラスを無事回収。今度こそ下山。3kmほど下った地点で下山整列して下山するが、とにかく距離が長くて疲れる。

会場について弟、ゆるんとも無事合流し、とりあえず吉田うどんをいただくが、それでも腹減りだし、せっかくなのでさっきのめろんパンも。箱買いしたメロンパンを、そのままリュックのメット固定ネットで固定していたが、箱の隙間から化粧砂糖が漏れてリュックが白く染まっていた。今度からは袋に入れよう(というか、箱いらないな)。

それにしても、順位の情報がまったくでない。ネットで確認できる情報は自分のタイムのみ(しかもわかりにくい!改善を望む)で、入賞ラインにいる人はみなやきもきしていた。ずいぶん待って、ようやく張り出された上位速報を確認すると6位入賞!青木選手は3位表彰台ということで、お祝いのあいさつ。さらに、7位に今年の箱根ヒルクライム同クラスで優勝(4秒差の2位で負けた……)した選手の名前。今度は3秒差で勝って1勝1敗、いいライバルだな。最近こうやって知り合いが増えてきたので、リザルトを眺めるのも少し楽しい。せっかくなので記念撮影(笑)

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副賞を受け取ったら、宿までダウンをかねてゆるゆる戻って後片付け。宿の風呂に入っていいよとのことで一風呂浴びて(これは本当に助かりました)、昼食はイタリアンのお店に入って生パスタをいただき、帰途に就く。

帰りは中央道上りの渋滞がすでに激しそうだったので、東名ルートを選択。結果的に間違ってはいなかったのだろうけど、富士五湖有料道の出口で車がまったく動かぬ渋滞が発生していたり、安定の大和トンネル渋滞で、15時前に出て18時半に無事帰宅。さくっと荷物を下ろして洗車も済ませて(ここ大事)、イベント終了。

レースを振り返って

目標としていたゴールド獲得、年代別6位入賞できたことは素直にうれしい。これまでの積み重ねがしっかりと結果になって返ってきている手ごたえを感じる。

しかし、内容を振り返るとあまりに消極的すぎた。はっきり言って楽をしすぎた。レースのデータを見ても、パワー的にも心拍的にも余力があったことがはっきりとわかる。体感的にも、データ的にもそうなのだから、なぜ出し切る走りをしなかったのか(基本的にレース中はサイコン画面を見ていない)。距離が長いので、セーブする意識が強く働いていたこともあるだろうが、おそらく勝ちを強く意識した結果、自分の限界に挑んでいたこれまでとは走り方が変化している。

兼松さんや森本さんが逃げたように、「逃げる勇気」が必要だった。富士ヒル年代別はネットタイムなのだから、なおさら自分の限界と向き合う走りが必要だ。自分は気づいていなかったし、ネットタイムの罠で速い集団がほかにもあったようなので詳しいことはわからないが、優勝した選手は途中から逃げて逃げ切っていたらしいことを、他の方々のブログで知った。

それと、スタートの位置取りが少し前すぎたかな。こればっかりは渋滞との兼ね合いと運もあるので難しいところだ。

今の自分には、あと一歩が足りない。けれど悲観もしていない。今後もゆっくり、じっくり取り組もうと思う。

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