第5回伊吹山ドライブウェイヒルクライム2017(※短縮コース) エキスパートクラス15位

2017年4月10日

やはり一筋縄ではいかぬ。ジストニアの魔の手により予想通り後方に沈んだが、得るものもあった有意義なレースだった。

今年の冬は寒かった。例年は冬でも登坂可能な勝尾寺ですら雪が積もった。そんな訳で、伊吹山が短縮コースになるのは必然だったと言える。年に1回この日しか自転車で走れないクローズドコースなので、フルコースを走れないのは残念に思った人は多いだろう。しかし、ジストニアのせいで未だに10分以上の登りに不安を抱える私としては、短縮コースの方がありがたかった。

天気も心配な要素だった。1週間前は雨予報。開催日が近づくにつれて予報が良くなっていったが、当日になってもなんとも言えない微妙な状況だった。

レース前日まで

不随意運動が増悪

今週は月火水と6ライド連続でNPが280Wを超え、非常に調子が良かった。当然、ジストニアも鳴りを潜めていた。疲労回復のため木金と休脚日にしたのだが、こんなときに限って仕事が暴発。ストレスと睡眠不足がたたったせいか、土曜日に軽くローラーで負荷をかけたら不随意運動がもろにぶり返してしまった。ここまで上手くまとめてきたのに、ちょっと残念。不安を抱えてレースに臨むことになった。

機材

レース前日にジャイアントストア大阪に駆け込むのが、最近の恒例になっている。別に狙っているわけではなく、単に行く時間がないだけなのだが……。ショップの店員からは「来ると思ってました!」と言われてしまったw

今回は、菰野の下りでパンクしていたWH-9000-C35-TUのリアタイヤ張替えをやってもらった。

去年の赤城山ヒルクライムで導入したTUFOのElite Jet<160gだが、赤城山と菰野の2回で終了。うーん、流石決戦用タイヤ。しかも、今回購入したものは外れを引いてしまい、バルブのネジ山の精度が悪くバルブエクステンションを奥まで締めることができない事案が発生。店員に上手く対処していただき事なきを得たが、海外クオリティは伊達じゃないな。

ということで、機材セッティングは菰野と全く同じだ。TCR Advanced SL、フロント55-42T、リア12-28T、ホイールはDURA-ACEのC35チューブラー+TUFOタイヤだ。相変わらずギア比がおかしいと思われるだろうが、私は大真面目だ。

レース当日

全く車に荷物を積めていなかったので、少し早く2時に起床。起床時体重58.85kg。朝食はいつも通りフルーツグラノラハーフと冷蔵庫にあったロールケーキ。写真には写ってないが、フルグラリッチテイストも少々。

4時過ぎに家を出発。途中、高速道路を走っていると50m先が見えないくらいの土砂降りに遭遇。大丈夫かいな。幸い現地は雨が止んでおり、6時頃駐車場に到着。しかし、雨のせいで駐車場はドロドロだった。今回駐車券買ってた人は勝ち組だな。

7時過ぎにローラーでアップを開始したが、やはり最初からふくらはぎが緊張して不随意運動が止まらない。あぁ、こりゃあかんわ……。15分のアップ後、5分285W、レスト5分を挟んで2分を2本326W、324W(レスト3分)。数値自体はそこまで悪くないのだが、右脚の状態は悪くなるばかりだった。

その後会場へ移動し、優勝候補のグランペール田中氏や天狗党森田氏と合流。

奥から田中氏のTrek Emonda、森田氏のTarmac、私のTCR

チームメイトやもう1人の優勝候補である矢部さんと軽く挨拶をかわしつつ、レーススタートを迎えた。

レース本番

レーススタート。伊吹山はネットタイム計測なので、後ろから出る方が有利。優勝候補たちはスタートの号砲が鳴っても動かない。しかし、勝負に絡むことができないことが分かっている私は特に意識することなく、適当にスタートした。どうせすぐ抜かれるだろう。

が、1分以上経っても3人は現れない。どんだけ駆け引きやってんだw 2、3分経ってようやく田中氏と矢部さんが私を追い抜いて行った。あれ? 森田氏がいない。トラブルかと思ったが、さらに1分ほど経ってから森田氏もかっ飛んでいった。私の方はわずか5分で虫の息。右足首も激しく暴れている。先頭はあっという間に霧の中へ消えていった。

単独走になってこれでレース終了かと思ったら、今回は面白い展開が待っていた。レース中盤、後ろから2人の選手が猛烈に追い上げてきた。かなり粘って逃げ続けたが、今の私に耐えられる訳もなく捉えられてしまった。さらに1人が後ろから追いついて、私を含めて4人パックに。ローテは全く回らず、根競べが始まった。右脚のふくらはぎが釣りそうになりながらなんとか耐えていると、アップダウン区間に突入して1人が脱落し、最後のつづら折りの手前でさらに1人が脱落。最後は、私とストラーダレーシングの2人によるマッチアップになった。

「勝負やな」と話しかけて相手の様子をうかがう。私はいっぱいいっぱいだったが、相手も余力はほとんど残っていないように感じられた。ゴールラインまで持たないと分かっていたが、その前に相手の心を折るべくゴール手前200mからスプリント開始。500W以上で踏み倒す。追い抜きざま「あぁ……」って声が聞こえたので、この時点で勝負あったと悟った。最後は脚を緩めてゴール。34分15秒、264Wだった。不随意運動の指標にしている平均ペダリング効率は52.8%(左: 60.9% – 46.6%: 右)と、やはり悪い数字だった。

実際のデータはこちら。

動画はこちら。

ゴールラインまで踏み倒せたら良かったんだけど、流石に力尽きたな。

レースを終えて

ゴール後、スプリント勝負になった選手と健闘をたたえあう。田中氏は圧巻の優勝、森田氏が2位、矢部さんが3位だった。順位はともあれ、トップ3は予想通りだった。私の方はと言うと……。

15位。スプリント勝負になった展開は初めてだったが、連日のL6以上のトレーニングがものを言った。手負いにしてはよくやった。

かなーり長い間ゴール地点で雑談した後、田中氏らと共にゆっくり下山。が、それが仇となって優勝と3位の選手がまさかの表彰式遅刻。

なんともさみしい表彰式だった……。チームの方の成績は、ちょしさんが男子Cで5位入賞!

SUNZOKUジャージを表彰台に送り込んでくれた。おめでとうございます!

表彰式を見終わった後、眠気と戦いながら運転して16時頃に帰阪した。

まとめ

不随意運動が増悪してまともにパワーをかけることはできなかったが、最後のスプリントで相手を出し抜けたのは良かった。今までは力で引きちぎって独走という形ばかりだったが、スプリントで勝てるという武器があれば、完全復活した暁にはいろんな戦い方ができるようになるかもしれない。また、前回の菰野ヒルクライムや今回のレースデータから、今後何をすればいいのか完全に明確となった。そういった意味で、今回のレースは収穫があったと言える。

さて、次戦は5月20日~21日に群馬で開催される榛名山ヒルクライム(ハルヒル)だ。森田氏も総合優勝を狙って参戦してくるらしい。流石に勝負を挑むのは厳しいが、TTでは負けないようにしたい。

実は、レース後にとてもとてもうれしい事があったのだが、それはまた改めて記事にしようと思う。