ノルウェー滞在記(準備編)

2016年9月23日

出張でノルウェーへ行ってきた。仕事優先なのは当然だが、割とプライベートな時間も確保できると踏んで、日本から自転車を持って行った。

今回の話は長いので、2回に分けてお送りする。前編は機材準備の話だ。

機材選定

最初はDefyかTCRを持って行くことも考えた。しかし、スーツケースの他に大きい荷物を抱えることは同行者に迷惑をかける恐れがあるし、できるだけ追加の手荷物料金は払いたくない。何より、海外輪行自体が恐ろしい。どんな扱いをされるか分からず、破損のリスクが極めて高い。

そこで今回、新たに自転車を調達することにした。追加の手荷物料金を払うより、新しい自転車を買った方が再利用可能なので有益と考えたのだ。

新しい自転車を買うに当たって考慮した条件は以下の通り。

  • 折りたためれば現在保有しているスーツケースに入る、もしくは分解すれば入ること。
  • ロードバイクのパーツが流用可能であること。
  • フロントダブル、ドロップハンドル、STIレバー、ロード用キャリパーブレーキであること(もしくは後でカスタマイズ可能)。
  • 高負荷のトレーニングに耐えられること。

なんとも欲張りな要求である。要は、特殊な部品を使わないことによってメンテナンス性を上げたい、乗り慣れたロードポジションで走りたいということだ。重量に関しては荷物の重量制限があるので軽いに越したことはないが、とりあえず二の次だ。

なお、スーツケースのサイズはこんな感じ。

20160826_001733770_ios

suitcase-size

おおよそ79×49×25cmなので、20インチホイールはタイヤを外せば入るはず。

候補1: GIANT MR4

まず頭に浮かんだのが、GIANTMR4。根っからのGIANTユーザーなので。しかーし! MR4は24インチホイール。そもそもホイールがスーツケースに入らない! 残念!

20160724_072004460_ios
一応、偵察には行った。

候補2: TECHONE CARACLE-S 2016

いろいろ調べていると、20インチホイールかつ「折りたたみサイズ世界最小」「市販スーツケースに収納可能」を謳う自転車を発見。その名もCARACLE-S 2016テックワンという大阪の会社が作っているらしい。写真を見ると確かにスーツケースにすっぽり収まっている。なお、先日の乗鞍ヒルクライムにCARACLEで参戦した方の1人が1時間16分台を叩き出したようだ。ただ、どう見てもフロントダブル化は難しそうなので候補からは外れた。開発中という451ホイールモデルに期待。

余談だが、 CYCLE MODE international 2016に出展するようなので、興味のある方はブースに行ってみてはいかがだろうか。

候補3: DAHON Mu Elite

先日の記事でも紹介したが、Mu Eliteは当初最有力候補だった。

20160826_015219610_ios

しかし、折りたたんだ状態の幅がすでに約38cmとサイズオーバー。分解も難しそうに思えたため購入は断念。ものは非常に良さそうなので、お金さえあれば是非乗ってみたい機材ではある。

選ばれし機材(大袈裟) PATTO BIKE

結局、先に挙げた条件を緩和して妥協するしかないか……と思っていたところに、こんなバイクを発見した!

20160903_070943197_ios

平和技術研究所のPATTO BIKE。恐らく、100人中99人が「?」だろう。

20160903_062147813_ios

ちなみに、開封直後の状態がこれ。比較のために700Cのロード用ホイールと並べて撮ってみた。いかにコンパクトなのかが分かる。上位機種と最上位機種はフロントダブル&ドロップハンドル+STIレバーだが、余っているパーツをいろいろと流用したかったという動機もあり、フラットハンドルタイプのエントリーモデルのPATTO BIKE SC451を購入した。

魔改造

実際のブツが到着し不明だった仕様を実際に確認した後、上記の要求を満たすべく必要なパーツや現地で使う道具を取りそろえた。

20160904_055814942_ios
一部関係ないものも写っているが気にしない。

ドロップハンドルはEASTONのエントリーモデルEA30、38cm。普段使っているのは40cm幅だが、試しにもうワンサイズ小さいものを買ってみた。

20160904_101729654_ios

タイヤは、ローロサイクルワークス大阪の店頭に置いてあったというだけの理由で、SCHWALBEのULTEMO ZXになった。写真ではチューブが2本しかないが、後になってジャイアントストア大阪でさらに2セット追加し、パンクに備えた。真ん中に写っているのはフロントディレイラーバンドである。

早速魔改造開始。余っていたUltegraブレーキ(!)を惜しげもなく投入。

20160903_211900243_ios

ここからは基本的にDefyから引っぺがして流用。まずはクランク。使い慣れたTiagraの165mmである。

20160904_061516864_ios

フロントディレイラーもTiagra。しかし、準備したフロントディレイラーバンドを用いてセッティングしてみるとチェーンラインが見事にずれてる&クランクとフロントディレイラーが干渉してクランクが回らないという事象が発生、フロントダブル化は断念した。ただし、チェーンを直接掛け替える手動変速なら可能w チェーンリングは52-39Tから56-42Tにする。

リアディレイラーとSTIレバーは105 (10s) 。リアスプロケットは11-28Tを装備。しかし、時間が無かったためハンドルバーテープは巻かなかった。

フラットハンドルのままだったらホイールを外しただけで分解せずにスーツケースに収まったのだが、ドロップハンドル化したことが災いして逆に入らなくなってしまった。最終的には、ほぼ全て分解した状態でスーツケースに収める。

20160911_095607609_ios

このバイクはさらに改造予定なので、仕様などは後日改めて紹介することにする。

こうして、ノルウェーに行く準備は整った。果たして現地で無事に組み立てられたのか? ちゃんと実際に乗れたのか? 後編に続く……。