フランス滞在記(その1)

出張でフランスへ行ってきた。目的地はトゥールーズ。エアバスの本拠であり、2014年のツール・ド・フランスで総合2位を飾ったジャン=クリストフ・ペローの出身地だ。

事前に確認した出張のスケジュールによると、朝の8時半から夜の19時までみっちり予定が詰まっていた。仕事後に知り合いと夕食に出かけるとなると、ホテルに戻るのは恐らく22時コース。自転車に乗る時間はほとんど無いかもしれないなぁと思っていた。一応トレーニング計画的には上手いことレスト週に持って行くことが出来ていたので、それが唯一の救いだった。

それでも日曜日は1日フリーで乗れるのは確実だし、他の日もちょろっと乗って雰囲気だけでも楽しめればいいやと、今回も日本から自転車を持って行った。

使用機材

持って行った自転車は、前回前々回と同様、海外専用自転車と化しているPATTO BIKEである。

基本スペックはイタリアの時から変わっていない。Dura-Ace 9000クランク(旧型ペダリングモニター)にしようかR9100クランク(新型ペダリングモニター)にしようかちょっとだけ迷ったが、盗難のリスクを考えて使い込まれてる感満載の9000クランクの方にしておいた。

唯一新たに準備したのはタイヤだ。以前の海外ライドでは、とにかくあり得ない頻度でパンクに見舞われた。基本的に舗装が悪く、SCHWALBE ONE (23C) のようなレース仕様のタイヤはすぐにやられてしまう。と言うことで、今回は流石に学習した。

Panaracer製の小径車用タイヤ、Minits Lite (28C) である。本当はMinits Tough (23C) を発注していたのだが、発注するタイミングが遅かったためブツが届いたのは私が海外出張に旅立った当日だったとさ……。ブツが間に合わないと気付き、慌てて梅パーに買いに行ったのがこの日。Minits Lite (28C) しか梅パーに在庫が無かったので、消極的選択でこれに決定した。

PATTO BIKEは、そもそもスーツケースにすっぽり入ることが売りの折りたたみ自転車である。しかし、私が持っているスーツケースに入れようと思うとどうしても分解しなければならない。面倒なので、今回もソフト輪行バッグで海外輪行という暴挙に出た。果たして自転車は無事に運ばれるのだろうか。

出国~まさかのスーツケース破壊

前回のイタリア出張では、エールフランスにスーツケースロストを喰らった。幸い、ロストしたのがメインのスーツケースではなく自転車の方だったので仕事には影響が出なかったが、そんなことがあったのでエールフランスはあまり使いたくなかった。しかし予算の都合もあり、今回は行きがKLMで帰りがエールフランスとなった。KLMとエールフランスは2004年から共同経営となっているので、実質同じ航空会社と言ってよい。

正直、行く前から悪い予感はしてた。まず、手荷物預けで予想外の出来事が発生。ほとんどの航空会社は、自転車を含むスポーツ用品を大きさと重量の規定さえクリアしていれば無料で運んでくれる。しかし、KLMは自転車だけ手数料がかかるということだった。手間を惜しまずバゲッジに押し込んでおけばよかったぜ……。今更家に送り返す訳にもいかないので、約14,000円の出費。ナンテコッタイ。

さらに、トゥールーズの空港に到着してスーツケースを拾い上げたら……

こんなことになっていた。べっこべこ。

完全に破断している。軽量モデルで耐久性はあまり高くないのは分かっていたが、流石に破壊されるとは思っていなかった。使用わずか2回目でお釈迦。やってくれたわKLM……。クレームを入れたら即交換かお金を受け取るか選択しろと言われたので、迷い無く前者を選択。

新品スーツケースとなって、一件落着となった。もう2度とKLM(エールフランス)は使わねぇ (´;ω;`)ブワッ

逆に、自転車の方は無事に届けられた。そりゃ、(いくら免責の書類にサインしているとは言え)手数料まで払ってるんだから無事に運んでくれないとねぇ。

初走行

現地に到着したのは金曜日の深夜。翌日の日中は土曜日だったがお仕事。夜に走ろうと思えば時間はあったが、いざ走りに行こうと思ったら心拍計が反応しない。何故だ! こんなこともあろうかと予備のボタン電池を持ってきていたので交換するも、やはり反応しない。結局、このトラブルを解決しようとしていたら時間が無くなってしまった。

そして迎えた日曜日は、あいにくの小雨模様。残念……。相変わらず心拍計は全く反応しない。日曜日はどの店もお休みなので新しい心拍計を調達することも出来ない。一旦はライドを諦めてホテルにあったエクササイズマシンで体を動かすが、10分で飽きた。暇だし何しようかなぁ~と何気なく天気予報を眺めていると、これ以上雨が強くなることはなさそうな雰囲気。えーい、行ってしまえ!(←結局走りたい)と言うことで、雨の中強行出撃した。

事前のリサーチによると、トゥールーズは大西洋へ伸びるガロンヌ運河 (Canal de Garonne) と地中海へ伸びるミディ運河 (Canal du Midi) の接続地点であり、それに沿ってサイクリングコースがあるということだった。ガロンヌ運河のサイクリングコースはこちらから、ミディ運河のサイクリングコースはこちらから確認できる。ミディ運河は世界文化遺産だがサイクリングコースは結構な悪路らしいという情報を掴んでいたので、今回はガロンヌ運河を走ることにした。

いろいろリサーチする前にホテルを予約していたのでたまたまなのだが、今回利用したホテルが運河の目と鼻の先にあり30秒で運河に出られるという好立地だった。しかし、見慣れぬ土地での初ライドと言うことでいきなり道に迷うw なんかローディーっぽい人についていったら全然違う場所に行ってしまい坂を登る羽目になったが、この坂は後々非常に役立つことになる。

地図で場所を確認して改めて出発。小粒の雨が降る中ひたすら運河沿いを走る。路面は想像通り悪い。砂利道とまでは言わないが、アスファルト舗装されていないのでかなり小石が浮いている。ハプニングだったとは言え、28Cタイヤにしといて良かった。

すれ違うのは大きなバッグを両脇に搭載したMTB仕様の自転車ばかり。恐らく、数日かけてツーリングしているのだろう。ああいう旅もいいなぁ。

水門付近で休憩。左に見えるのがサイクリングロードだ。

グリソルという街を紹介する看板と思われる。

ツール・ド・フランスの中継にもよく登場するひまわり畑。うーん、フランスって感じがする。

結局ライド中に雨が強くなることは無く、パンクもせず無事にホテルへ戻ってくることが出来た。

2時間36分57秒、71.12km、26.8km/h、83.1rpm、(心拍計故障のため不明)、平均パワー153.0W、NP178.3W、TSS93.7、1440.2kJ、平均ペダリング効率55.0%(左: 61.1% – 50.3%: 右)。

次回へ続く……

さて、無事に最初のライドを終えたのだが、心拍計が反応しないというトラブルは解決していない。そもそも走る時間はあったのか? 次回へ続く。

余談

写真に撮った食べ物を紹介。

金曜日、トランジットのスキポール空港で食べた4種のチーズスパ。濃厚だが正直普通の味だった。

土曜日の昼食。上が前菜、下がサーモンクリームペンネ。すまん、家のサーモンクリームスパの方が美味いわ……w