第5回菰野ヒルクライム (2017) の統計分析結果

2017年3月26日に開催された第5回菰野ヒルクライムチャレンジの統計を紹介する。併せて、2016年までの統計データから予測したタイムと実際のタイムの間にどれくらいの誤差があったか検証する。

2017年大会の統計分析

平均タイムの推移

2017年の統計結果を表1に示す。なお、前回の記事と同様チーム戦のリザルトは除外している。

表1. 2016年と2017年の結果
統計 2016年 2017年 比較 備考
完走者数 913名 820名 –11.3% チーム戦のリザルトを除く
平均値 40分54秒135 40分31秒779 +0.91%
中央値 39分22秒456 38分41秒199 +1.75%
標準偏差 09分04秒238 08分54秒708 +1.75%
最小値(最速タイム) 25分10秒348 24分53秒069 +1.14%

完走者数は前回大会と比べて93名減少したが、平均タイムは上昇した。図1に、2013年からの平均タイムの推移を示す。

図1. 全完走者の平均タイム時系列変化(2013年~2017年)

一昨年は雨、去年は晴れ、そして今年は雨。ウェットコンディションだと路面抵抗が減少してタイムが伸びるのだろうか。

2013年~2017年大会の全てに参加した人を抽出した結果

2013年から全ての大会に参加している皆勤選手を抽出した。その結果を表2に示す。

表2. 2013年~2017年までの全ての大会に参加した人を抽出した結果
統計 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
リザルト掲載数 59名
平均値 38分25秒 (-) 37分54秒 (+1.4%) 36分32秒 (+3.7%) 36分44秒 (-0.5%)  37分07秒 (-1.0%)
中央値 36分52秒 (-) 36分59秒 (-0.3%) 35分34秒 (+3.9%) 35分41秒 (-0.3%) 35分46秒 (-0.2%)
標準偏差 06分53秒 (-) 06分19秒 (+8.9%) 06分02秒 (+4.7%) 06分23秒 (-5.3%)  6分19秒 (+0.9%)
最小値(最速タイム) 27分29秒 (-) 25分59秒 (+5.7%) 26分52秒 (-3.3%) 26分22秒 (+1.9%) 25分01秒 (+5.4%)

タイムの後ろのパーセンテージは、前年比を表している。なお、今回の分析で同姓同名の方を1名検出した。すなわち、2013年~2017年まで皆勤した選手と同名の選手が、2017年に参加していた(かつ、2016年に参加していない)。そこで、目視による確認を行ってデータの整合性をとった。

去年まで4回連続で参加している人が86名いらっしゃったが、今年も参加して皆勤を達成した人は27名減の59名となった。全完走者を対象にした結果とは逆に、平均タイムは遅くなっている。

予測タイムと実際のタイムとの誤差

最後に、前回の記事で予測した2017年の平均タイムと実際のタイムとの誤差について考察する。図2に、2017年大会の平均タイム予測と実際のタイムを示す。

図2. 2017年大会の平均タイム予測と実際のタイム

全完走者を対象にした予測タイムは40分9秒だったが、実際の記録は40分32秒でその差は約22秒 (0.92%) だった。また、皆勤選手を対象にした予測タイムは37分1秒だったが、実際の記録は37分7秒でその差は約7秒 (0.30%) だった。5大会連続皆勤の方々は、2013年~2016年のデータを見るとレベルの高い選手が集まっているように見える。しかし、2017年の平均タイムが遅くなっているのは興味深い。

まとめ

第5回菰野ヒルクライムチャレンジin鈴鹿スカイラインの大会結果を分析した。その結果、去年と比較して平均タイムは上昇したが、5大会連続で参加した皆勤選手を対象にした場合、平均タイムは逆に遅くなったことが判明した。

今後は、コンディションがタイムに与える影響など、その他の因子を考慮した分析ができればと考えている。2018年以降も大会が継続されることを願う。